不動産購入時にしばしば見落とされがちなのが私道持分の有無です。
特に持分がない土地には予期せぬトラブルやデメリットが潜んでいることをご存知でしょうか。
本記事では、私道持分がない土地の落とし穴を詳細に解説し、その解決方法に迫ります。
通行権の確保や掘削工事に必要な承諾の取り付け、交渉時に生じる承諾料の問題、相続や住宅ローン調達の難しさなど、実態を明らかにしていきます。
また、維持管理が不要であるというメリットにも触れ、難航する売却問題をどう解決するか、実際の解決事例や専門の不動産買取業者も紹介します。
私道持分の確認方法から、賢い売却テクニックまで、土地の売買において避けては通れないポイントを押さえましょう。
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私道持分とは何?
私道は一般の道路とは異なり、特定の個人または複数の者が所有権を持つ道路を指します。
この私道の所有権を持つことを私道持分といい、持分があればその道路の使用権があり、通行する権利が保証されます。
しかし、私道持分に関わるトラブルは多く、道路の利用者間の利害が絡むと問題が複雑になることがあります。
私道には3種類ある
私道は法的な背景によって、主に3種類に分類されます。
種類によって私道の性質が変わり、所有者がどのような権利や義務を持つのかが異なります。
それぞれの私道は道路法に基づく定義があり、道路の維持管理やトラブル発生時の対応にも影響します。
42条1項3号(既存道路)
土地の分筆や分譲前に既にあった道路が42条1項3号として登録される私道です。
これは既存の通行権を保証するもので、通常、旧道としての利用が維持されることが多いです。
しかし持分が明確でない場合があり、通行に関するトラブルが生じる可能性があります。
再建築の制限を受けることもあるため、所有者は建物の再建築に際して注意を払う必要があります。
42条1項5号(位置指定道路)
位置指定道路は、自治体が位置指定を行った道路で、通常、開発計画に基づく新たな区画整備の際に設けられる私道です。
この種類の私道は、必要な幅員や設備が確保されており、通行の環境が整っていることが多いです。
位置指定道路に関しては、将来的に公道化されることを前提としているため、所有者は注意深く管理しなければならない場合があります。
43条2項(2項道路)
2項道路は、特定の建築物の敷地から道路までの位置が定められた私道です。
この道路は敷地として算入されないため、建築物の敷地としての要件を満たすために設けられます。
2項道路は、建築物の利用目的を達成するために必要な通路を保障するもので、維持管理の責任は所有者にあります。
私道持分は「共有型」「分割型」の2パターン
私道持分の形態は大きく分けて共有型と分割型の2つに区別されます。
2つの内、どちらのパターンかによって長年の間に累積される維持管理の問題や通行の権利に影響が出ます。
共有型は全員で持分を共有する形態で、分割型は所有者の区域が分けられているものです。
それぞれの特徴を順に見ていきましょう。
共有型
共有型の私道持分は、その道路の所有権を複数の者が共同で保有し、各持分に応じた利用権と管理責任を持っています。
共有型の場合は、道路の利用に関して合意が必要になることが多く、各所有者間での合意形成がトラブルの元になることがあります。
したがって、共有型では事前の取り決めや規約を設けることが重要です。
分割型
分割型の私道持分では、道路が所有者の間で区分され、それぞれの区分に対する専有権が認められています。
この場合、各区分ごとに独立して管理が行われるため、共有型よりも管理上の問題が少なくなる傾向があります。
しかし分割型では、区分された道路の境界に関するトラブルが生じることがあり、正確な区分が必要です。
私道持分が無い不動産はトラブルばかり?デメリット4選
不動産を購入する際、私道持分の有無は重要なポイントです。
私道持分がない場合、所有者の承諾が必要な事例が多く、様々なトラブルに発展することがあります。
ここでは、私道持分がないことによるデメリットを4つご紹介します。
私道所有者から通行の承諾を得る必要がある
私道持分がない物件では、所有者から通行の承諾を得なければならず、面倒な手続きとなることがあります。
承諾書をもらう過程で、所有者との交渉が必要になることもありますし、所有者が複数いる場合は全員の合意を得る必要があり、時間と労力を要します。
所有者が交代するたびにあらためて承諾を得る場合もあるため、私道を利用するたびに不安定な状況に直面する可能性があります。
掘削工事の承諾も得る必要がある
住宅の新築やリノベーション時に、下水道やガスの配管工事などで私道内を掘削する場合、所有者からの承諾が必要です。
これは単なる通行権の問題に留まらず、工事を行う上でさらに高度な合意形成が求められるため、トラブルに発展する可能性があります。
特に持分が複数の所有者間で分けられている場合、共有者全員の同意を集めることが大きな負担となり得ます。
承諾料を支払わなければならない
私道の使用にあたっては、通行の承認以外にも、所有者に対して承諾料を支払う必要が生じる場合があります。
金額は所有者との交渉によって左右され、時には相場を大きく上回ることもあるでしょう。
定期的な支払いが要求される場合、このコストは不動産の維持費を増加させ、経済的な負担を強いられることになります。
相続する際、面倒になる
私道持分がない不動産を相続する際、問題は複雑化します。
相続人が私道所有者に対して改めて通行などの承諾を求める必要があるためです。
また、相続に伴い不動産の所有者が複数に分かれると、合意を形成する過程で家族間のトラブルに発展する恐れもあります。
こうした問題は、適切な対応を怠るとトラブルの火種となりかねません。
住宅ローン融資が通りづらい
銀行などの金融機関は、物件の価値だけでなく、その利便性や安定性も融資の審査基準にしています。
私道持分がないことは、将来的にトラブルが起こりうるリスクとして捉えられるため、住宅ローンの融資審査で不利になることがあります。
時には融資自体が難しくなることもあり、購入計画に影響を及ぼす重大な問題となります。
安定した物件利用のためにも、私道の権利状況は確認しておきましょう。
私道持分が無い物件のメリットは「維持管理が不要なこと」だけ
私道持分がない物件を選ぶ利点として、最も注目すべきは維持管理の手間がかからないことです。
私道には所有者が共同で負担すべき維持管理義務があるため、持分がある場合、道路の補修や除雪といったメンテナンス作業が必要になります。
これに対し、私道の持分がなければ、これらのメンテナンス作業がないため、時間や労力、コストを節約できます。
私有地へのアクセスや利用に関するトラブルのリスクも低減します。
持分があると隣接する土地所有者間での協議が必要になりがちですが、持分がない場合は調整の必要がなくなるため、心理的な負担が少なくなります。
ただし、私道を利用する権利が確保されていることを事前に確認することが重要です。
また、所有権が分かれている土地を購入する際、私道持分の有無は不動産の価値に影響を及ぼす要因です。
持分がないことは、購入価格が持分を有している物件に比べて低く設定される可能性があり、初期の投資額を抑えることができるかもしれません。
しかし、具体的な環境や条件に応じて、私道持分がない物件が必ずしも優位とは限らないケースもあります。
物件選びに際しては、維持管理負担の有無だけでなく、物件全体の利便性や将来的な価値の推移も考慮した上で判断することが求められるでしょう。
私道持分がなく売れない土地のベストな売却方法
私道持分がない土地は売りにくいという課題がありますが、適切な売却方法を選ぶことでトラブルを避けながら売却が可能です。
持分の問題を解決する方法や、承諾を得て利便性を高めることで、土地の価値を向上させ、買い手を見つけやすくなります。
私道持分を取得して売却
土地の価値を高める最も効果的な方法の1つが、私道持分を取得することです。
私道は敷地内を通ることにより、他の土地へのアクセスを可能にしますが、その所有権を共有する必要がある場合も多いでしょう。
持分がない土地は利便性が低く評価されがちですが、隣接する土地所有者との交渉を通じて持分を取得できれば、その土地の魅力は大きく向上します。
交渉には時間と労力が必要ですが、成功すれば売却額にも大きく影響するため、検討する価値は十分にあります。
通行・掘削の承諾を得て売却
私道持分を取得することができない場合、通行または掘削に関する承諾書を得る方法もあります。
これには、土地を通過する際や、設備を敷設するために必要な作業を行う場合の承諾が含まれます。
隣地所有者から承諾書を得ることで、利便性が保証され、買い手は将来のトラブルを恐れずに土地を購入することができます。
具体的な取り決めに関しては法的な助言を得ながら進める必要があるため、専門家と協力してスムーズな取引を目指しましょう。
専門の買取業者に相談してそのまま売却
私道持分の取得や承諾書の取り付けが難しい場合、再建築不可物件専門の買取業者に相談して土地をそのまま売却するのも1つの方法です。
買取業者は独自のネットワークやノウハウを持っており、持分のない土地でも適正価格での買取が期待できます。
面倒な交渉を避けて確実に売却したい時や、速やかに現金化を図りたい場合には特に有効です。
ただし、業者選びには慎重になり、複数の業者から見積もりを取るなどして適正な取引ができるよう注意が必要です。
一般的な不動産業者に相談しても私道の持分がない不動産は売れませんが、専門の不動産買取業者であれば活用ノウハウがあるので、買い取ってくれます。
この場合、私道所有者から持分を取得したり、通行・掘削の承諾を得る必要もないため、トラブルの心配も交渉の労力も必要ありません。
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私道持分の有無は「公図」で確認できる
不動産取引において、所有権だけでなく、共有部分としての私道に関する持分についての確認も重要です。
私道の持分がある場合、その権利に関する情報は公的な図面である「公図」に記載されています。
公図とは、土地の区画や形状、それぞれの土地にどのような権利が設定されているかを示す文書のことです。
土地登記簿謄本と合わせて公図を確認することで、私道にかかわる持分の存在やその範囲を把握することが可能となります。
公図は登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと (moj.go.jp)で確認・取得が可能です。
例えば不動産が私道に面している場合、その私道を利用する権利があるのか、共有持分があるのかが公図に記載されています。
公図により、個々の土地が私道内のどの位置にあるのか、どれだけの割合で持分を持っているのかも明らかになるのです。
公図には土地の境界線や共有区域への持分割合も表記されており、私道使用に関わる権利関係を理解するための手がかりとなります。
これによって将来的なトラブルを回避しやすくなるため、特に私道を共有する土地を購入する場合には公図確認が不可欠と言えるでしょう。
不動産業者や法務局での公図の閲覧が可能であり、具体的な持分の内訳を知るための手段として有効活用されるべきです。
土地を購入する際や建築計画を進める際にも、公図を確認することで土地の利用範囲を正確に把握し、適切な判断を行いましょう。
まとめ
この記事では、私道負担(持分)の有無が不動産取引に及ぼす影響や対応策について解説しました。
持分がない土地は通行の承諾が必要であり、掘削工事の同意を取り付けること、承諾料の支払い、相続時の複雑さ、さらに住宅ローンの融資の受けにくさなど複数のデメリットがあります。
しかし、メリットとして土地の維持管理責任がない点が挙げられます。私道持分がなく売却が難しい土地については、私道持分を取得する、あるいは必要な承諾を得てから売るといった選択肢もありますが、不動産買取業者にお願いすることで、手早く問題解決が可能となるケースがあります。
相続や売却を控えた土地の持分状況は公図で確認できますので、取引前には事前にチェックし、専門家のアドバイスも参考にしながら最適な対策を講じることが大切です。
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