「再建築不可物件の購入の際はローンを組めるのかな?」
「安く購入できる再建築不可物件を購入すれば、お得に大きな利回りが期待できるって本当?」
このように考え、住宅ローンを利用しての再建築不可物件の購入や転用を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
たしかに、再建築不可物件でもローンが組めないわけではありません。しかし、再建築不可物件のローン審査はシビアなため、好条件での借り入れは見込めないでしょう。
また、再建築不可物件は、プロの不動産屋であって取り扱いが難しく、しくみをよく理解していない一般の方が活用するのは不可能に近いといえます。
再建築不可のリスクを軽くとらえて住宅ローンの融資を受けると、多重債務の返済に追われるうえ手の施しようがなくなり、後悔する羽目になるかもしれません。
そこで本記事では、住宅ローンを利用した再建築不可物件の購入がおすすめできない理由をおわかりいただくため、下記3点の内容をお伝えいたします。
- 再建築不可に使える住宅ローンが少ないワケ
- 再建築不可物件でも使える可能性があるローンの種類
- 再建築不可物件を購入するメリットとデメリット
「住宅ローンにおける数々のリスクを背負ってまで再建築不可物件を購入すべきか」という問いの答えを得る手がかりが得られる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
なお、再建築不可物件を購入してしまってお困りの方や、相続した土地が再建築不可でお悩みの方は、「訳あり物件買取プロ」へ相談するのをお勧めします。
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再建築不可物件の購入時に住宅ローンは利用しづらい
結論として、基本的に再建築不可物件を購入する際には、住宅ローンが使えません。
といっても、明確に再建築不可物件を担保とするローンが禁止されているわけではありません。再建築不可物件は、主に下記3点の特徴ゆえに金融機関からの融資を受けるハードルが高いのです。
- 担保としての不動産価値の低さ
- 債務者の返済リスクの高さ
- 金融機関のコンプライアンス意識
一般的に、再建築不可物件は不動産としての価値がほとんどありません。よって、買い手にメリットがほとんどないだけではなく、赤字を生み出し続ける負の資産を抱え込むリスクもはらんでいます。
現代の高いコンプライアンス基準からみても、銀行をはじめとする金融機関にとって再建築不可物件を担保に融資を決めるのはあまりにもハイリスクです。
再建築不可だとローンが利用しづらい上記3つの理由を、それぞれくわしく解説します。
担保としての不動産価値の低さ
再建築不可物件は、不動産としての価値はないに等しい資産であるため、ローンを組む際の担保として認められるケースは非常にまれだといえます。資産価値が低い理由は、次の4点です。
- 今ある建物を取り壊したら新しい家屋を建てられないこと
- 今ある建物のリフォームにも制限がかかること
- 築年数が古い建物が多く、地震による倒壊の危険性が高いこと
- 上記の理由から買い手がつきにくいこと
再建築不可物件とは「建て替えやリフォームができない建築物」です。ひとたび既存の建物を取り壊すと、そのままの状態では二度と新しく建築できません。再建築不可の理由はさまざまですが、主な理由は接道義務および現行法令との不適格です。
接道義務とは、敷地が幅4m以上の道路と2m以上接していなければ、家屋を建築できないという建築基準法上のルールを指します。
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
引用:建築基準法|e-Gov法令検索
つまり、道路にまったく面していない袋地や、細長い通路を経由しなければ道路に辿り着けない旗竿地などに以前からある建物は再建築ができません。
同様に、旧基準で建てられた既存不適格物件や、市街化調整区域もしくは防火地域などのエリアにある不動産も、建築工事に制限がかかります。
不動産運用の経験がある方なら、手持ちの物件を担保に入れていれば、万が一返済が難しくなった場合でも問題なく債務が履行できると考えるでしょう。
しかし、リフォームや修繕ができず、老朽化が進んで倒壊したとしても建て替えや再建築ができない再建築不可物件は、競売にかけても高値で売れる可能性はありません。そのため、再建築不可物件は万が一に備えた保証としての信ぴょう性が薄いと見なされ、原則としてローンの担保にならないのです。
債務者の返済リスクの高さ
再建築不可物件を担保とする住宅ローンは、債権者だけではなく、債務者にとっても大きなリスクをはらんでいます。前項でも触れたとおり、再建築不可物件は倒壊の危険性が非常に高い不動産であり、もしものときに住宅にかかる費用を二重払いしなければならないからです。
接道義務は、昭和43年に施行された建築基準法から新たに加わったルールであり、再建築不可になっているということは少なくとも築50年以上が経過しています。
築年数が経っていたとしても、リフォームを施せば問題なく住めますが、再建築不可は満足に修繕できないケースもめずらしくありません。
そのうえ、再建築不可物件は経年劣化が激しいだけではなく、最新の耐震基準を満たしていないものが大半です。もしローンを組んでいた物件が災害や何らかの事故で倒壊してしまったとしても、建て替えや大規模な修繕ができないため、更地にするほかありません。
建物がなくなっても、住宅ローンの返済義務は残ります。今後住む新居の購入費や賃貸料金も必要なので、住宅ローンの返済と重なり、負担が増大する可能性があるのです。
更地になった土地を売って資金を確保しようにも、再建築不可では買い手がつきにくく期待できる売却額も安価のため、債務負担はさほど減らせないでしょう。
金融機関のコンプライアンス意識
現代がコンプライアンス遵守を重視する時代であることも、再建築不可物件で住宅ローンを組みにくい要因の一つです。国土交通省からは金融機関に対し、建物の安全性を確保するため法令に違反する建築物への融資を控えるよう通達が出ています。
民間金融機関が新築の建築物向け融資を行うにあたって、検査済証を活用するなどの方法により融資対象物件が建築基準関係規定を遵守しているかという点について配慮すること
引用:新築の建築物向け融資における検査済証の活用等による建築基準関係規定遵守について|国土交通省
再建築不可物件を担保とする融資を決定したことが問題となった場合、金融機関の信用が失墜しかねません。
そのため、金融機関は、住宅ローンの審査を行う際に当該建築物が建築基準法に適合するかどうかを厳しくチェックします。大手の銀行などは特にコンプライアンスに慎重な傾向にあり、ローン審査の際は物件や債務者の信用性が精査されるでしょう。
再建築不可物件でも住宅ローンを利用するための対策
ここまで、再建築不可物件は住宅ローンの融資が非常に困難であることを説明していきました。
とはいえ、必ずしも住宅ローンが組めないわけではありません。再建築不可物件でも住宅ローンを利用する方法は、次の3通りです。
- ノンバンクの住宅ローンを利用する
- 銀行のフリーローンを利用する
- 共同担保ローンを利用し、自身の持ち家を担保に入れる
金融機関では、一般的な住宅ローンを再建築不可物件で利用するのは無理でしょう。しかし、ローンの種類を変えれば、融資を受けられる可能性が高まります。それぞれの方法をくわしくみていきましょう。
ノンバンクの住宅ローンを利用する
再建築不可物件は銀行や信用金庫などの一般的な住宅ローンの利用は難しいのですが「ノンバンク」からの融資なら受けられる可能性があります。ノンバンクとは、銀行や信用金庫以外の金融機関のことです。具体的には、消費者金融やクレジット会社などの信販会社の総称がノンバンクと呼ばれます。
ノンバンクによる融資の際にも、審査がないわけではありません。
しかし、銀行などと比べると審査基準が低いことから、担保としての価値が低い再建築不可物件でも融資してくれる場合があります。また、ノンバンクは審査から融資開始までの期間が短いことも特徴であり、急いでまとまった資金を手に入れたい方にとっても便利な調達手段になるでしょう。
ただ、ノンバンクの融資は、金利が高い点が問題です。一般的な銀行などにおける金利の4倍〜8倍である4%程度が相場になるため、借り入れやすい代わりに返済総額が多くなります。
仮に1,000万円を借り入れたとすると、固定金利1%のローンと比べ、総額で500万円以上の差です。頭金やローンの手数料、保証料なども含めると、債務者にとって莫大な負担になりかねません。
また、ノンバンクはあくまでも、銀行などよりは住宅ローンの審査に通りやすいだけだといえます。安定的な収入があることが大前提であり、与信審査の通過は決して易しくありません。
地価や物件の資産価値が低かったり、建物の状態や立地条件が悪かったりする場合は、ノンバンクからもローンを断られてしまいます。
銀行のフリーローンを利用する
一般的な銀行であっても、フリーローンを利用すれば再建築不可の購入に充てられます。フリーローンとは、用途を限定しない融資のことであり、多くの銀行などで提供されているプランです。
再建築不可でもある程度の資産価値が認められた場合、フリーローンなら多額の借り入れを期待できます。また、フリーローンは長期の返済期間設定も可能な場合が多く、計画を建てやすいでしょう。
ただし、フリーローンも金利が高い点に注意してください。ノンバンクより高金利となる5%〜6%程度に設定されている場合もあるため、長い目で見ると損になるかもしれません。
さらに、フリーローンは、融資開始までに時間がかかる傾向にあります。資金がすぐに必要で、返済の目処が短期間では立たない方には、あまりおすすめできません。
共同担保ローンを利用し、自身の持ち家を担保に入れる
金融機関によっては、融資にあたって自己所有のほかの物件や本人名義以外の不動産も共同で担保に入れることを条件にローンが組めるケースもあります。共同担保とする再建築不可物件以外の不動産の資産価値が高ければ、高額融資を受けることも可能です。
さらに、共同担保ローンの金利は3%程度であり、ノンバンクやフリーローンと比べ借り入れやすく感じる方も多いでしょう。
といっても、共同担保ローンは一般的な住宅ローンと比較すると高金利のため、お得な方法とはいいがたい部分があります。また、返済不能になった場合はすべての担保が取り上げられるため、他人の不動産と共同で保証していた場合、トラブルに発展するかもしれません。
また、担保とした不動産にもローンの返済が残っていた場合は二重の債務となり、負担が大きすぎると見なされて審査に通らない可能性もあります。そもそも、共同担保を認めていない金融機関でなければ使えない借り入れ手段であり、活用できるシーンは限定的です。
再建築不可物件でも利用できる共同担保ローンについては、以下の記事でより詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてください。
再建築不可物件は住宅ローンを利用してまで購入すべきか?
率直にいうと、再建築不可物件には多くのリスクを背負う住宅ローンを利用して手にいれるほど価値は大きくないといえます。なぜなら、再建築不可物件の購入で期待できる利益より、リスクや損失の可能性の方が大きいからです。
目的や物件の価値によっては、再建築不可でも活用して収益化できるかもしれません。ですが、不動産運用のノウハウを熟知していない限り、収益化は難しいでしょう。
ここからは、再建築不可物件の購入がおすすめできない理由をご理解いただけるよう、メリットとデメリットをそれぞれ確認していきます
再建築不可物件を購入するメリット
再建築不可物件の購入で得られるメリットは、主に次の2つです。
- 購入金額が通常の不動産より安い
- 固定資産税・都市計画税が通常の不動産より安い
再建築不可物件なら、元手がかからずに不動産を入手できるうえ、節税にもなります。可能な限り初期費用を抑えて不動産運用を始めたい方にとっては、うまくいけばメリットかもしれません。上記2点のメリットの理由をくわしくみていきましょう。
購入金額が通常の不動産より安い
再建築不可物件は、活用の難しさから売りたいと考える人が多く、買い手からの人気が低いことから、安価に購入できます。
通常の物件と比べると、3割〜5割程度の金額で手に入るでしょう。購入時に高金利な住宅ローンを利用したとしても、短期の返済プランであれば、総合的にみて出費を大幅に抑えられるケースもあります。
固定資産税・都市計画税が通常の不動産より安いやすい
再建築不可物件は、不動産にかかる税金を安く抑えられる可能性があります。一般的に、固定資産税や都市計画税は、地価や不動産の資産価値から測る評価額から税額が計算されるためです。
節税による不動産投資のランニングコスト軽減をねらう方にとっては、再建築不可物件を購入することでメリットが得られるといえます。
再建築不可物件を購入するデメリット
一方、再建築不可物件を購入するデメリットは以下の3点です。
- ローンが高金利になる
- 建て替えができない
- 売却しづらい
再建築不可物件の購入にローンを利用すると、長期的にみると割高になるケースも多く、赤字量産でトータルの経済的負担が大きくなるおそれがあります。安易な融資による再建築不可物件の購入は危険な行為です。
上記のデメリットの詳細をみてみましょう。
ローンが高金利になる
先述のとおり、再建築不可物件にも使える住宅ローンは軒並み高金利です。
共同担保にできる資産価値の高い不動産を所有していたり、ある程度の資金力がありすぐに返済できる場合などなら問題ないかもしれません。しかし、返済期間が長くなるにつれ、返済しなければならない総額はどんどんかさんでいくでしょう。
よって、再建築不可物件は、一括で購入できない限り割高な買い物になってしまいがちです。どうしてもローンを組む場合は、最低でも約3割〜半額の頭金を用意したうえ、短期で返済できる程度の不足金を補う目的で利用するほうがよいでしょう。
建て替えができない
冒頭で説明したとおり、再建築不可物件は建て替えができません。それどころか、ちょっとしたリフォームや修繕くらいしか施せないため、老朽化や大規模な破損には当然対処できません。そのため、物件としての寿命は通常の不動産に比べ非常に短いでしょう。
居住目的で購入した場合、老朽化にともなう限界や、大災害による家屋倒壊などのリスクを常に抱える羽目になり、もしものときは住むところがなくなってしまうかもしれません。運用目的で購入したとしても、既存の物件を取り壊したあと、そのままの状態では二度と再建築できないため、転用も難しいでしょう。
売却しづらい
上述のようにデメリットが多い再建築不可物件は、買い手がつきにくいことから仲介や一般的な不動産業者から取引を避けられる傾向にあります。将来的に引越しや住み替えを検討している方は、予定どおりに買い手が見つからない恐れがあるため注意が必要です。
ただし、再建築不可物件を専門に買い取りを行っている不動産業者なら、損することなく土地や家屋を手放せる可能性があります。
専門の不動産買取業者は、再建築不可の活用法や法の抜け道を熟知しているだけではなく、流通ルートを確保しているため、適正価格で積極的に買い取ってくれるからです。
再建築不可物件の買い取りに関しては、こちらの記事でくわしく解説していますので、売却をご検討中の方はぜひご一読ください。
再建築不可物件を購入して後悔したという声
本章では、今まで再建築不可物件に特化した不動産買取業者に勤めていた当サイトの編集者に寄せられた再建築不可物件の購入に関するお客様の声を紹介します。経験者のリアルな相談内容を知れば、再建築不可物件の活用や運用がいかに難しいかをおわかりいただけるでしょう。
地震で倒壊してローンの二重払いに
〜13年前に居住目的で中古住宅を購入したYさんの事例〜
夫婦で住んでいた住宅の老朽化にともない、新しい物件に引っ越しました。リフォームも検討しましたが、料金も高く、工事中の仮住まいにかかる費用もかさみます。再建築不可にローンを利用すれば月々の返済額も少なく手に入れられると聞き、老後の終のすみかとしてなら建て替えやリフォームができなくても大きな問題ではないと考え、購入を決めました。
しかし、購入直後、先の東日本大震災により家屋が倒壊。耐震構造が不十分でない物件だったため、多少の修繕では手の施しようがない状況でした。
仕方なく取り壊し、新しい住居を見つけて住み始めましたが、以前の住宅ローンと新居の費用との二重払いに……。家族の協力を得られてなんとか返済を続けていますが、厳しい生活を強いられています。
不動産屋に勧められるままに更地活用してしまった
〜10年前に転用目的で再建築不可物件を解体したWさんの事例〜
再建築不可物件を扱いあぐねてコンサルタントに相談したところ「駐車場として活用しましょう」との提案が。不労収入への憧れもあり、安易な気持ちでいわれるがままに物件を解体して駐車場経営を始めました。
しかし、特に立地条件がいいわけでもない駐車場では客が入らず、赤字経営に耐えかねて手放すことに。ところが再建築ができない土地では簡単に買い手が見つかるわけもなく……。活用できず、赤字と税支出だけを生み出すいわゆる「負動産」になり果ててしまいました。
不動産投資ブームで購入したが利回りが取れない
〜6年前に投資目的で中古アパートを一棟まるごと購入したFさんの事例〜
流行りの不動産投資に目をつけ、長期の返済プランで住宅ローンを組んで再建築不可物件を購入。再建築不可なら初期費用もかからず、うまく運用できれば大きな利益を得られると思っていました。
ところが、金融緩和策の修正を受けて、長期金利が急上昇。利回りが悪くなり、利益が減るばかりか大赤字の連続です。建て替えて自分で住むわけにもいかず、仲介や売りに出しても買い手がつきません。とんでもない買い物をしてしまったと後悔しています。
まとめ
再建築不可物件は、不動産としての価値の低さから担保として認められづらいことから、一般的な銀行などによる住宅ローンの審査に通るのは困難です。仮に借り入れができたとしても、二重債務に陥る危険性も高く、コンプライアンスの観点からも融資が推奨されていません。
再建築不可物件でも、ノンバンクの融資やフリーローン、共同担保ローンなどであれば審査に比較的通りやすい傾向にあります。とはいえ、総じて金利が高く、長い目で見ると非常に割高です。
たしかに、元手が少なくても気軽に手を出せるほどの購入価格の低さや、節税になる再建築不可物件を不動産投資の狙い目だと考える方もいるかもしれません。
しかし、高金利で建て替えや大規模なリフォームができず、売ろうにも買い手がなかなか現れない点を考慮すると、メリットよりデメリットの方が上回るケースが多いでしょう。
もし再建築不可物件の売買や運用にお困りの方は、当サイトを運営している「株式会社AlbaLink」にぜひお問い合わせを。弊社の専門は再建築不可物件ですので、どのような疑問やご相談にも対応可能です。
不動産の売買は、時間が勝負です。ご相談は年中無休で受け付けておりますので、迷っている方はお電話または専用フォームから今すぐにご連絡ください。
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